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栗野宏文さんへの憧れ

私が初めて栗野さんを眼にしたのは、私がまだ10代後半の頃、渋谷の消防署の近くにあった、ビームスです。(私の記憶では1号店かもしれません)

その頃、東京に行くと必ず渋谷に出向き、このビームスと、確か並びにあった文化屋雑貨店を楽しみに訪ねて、それ後スペイン坂の少し入ったところにあったMIURA&SONS(後のシップス)を見て、同じスペイン坂にあった五右衛門の青じそタラコスパゲティを食べるのが常でした。

その頃から憧れであった栗野さんとその後仕事で関わらせて頂く事になろうとは、夢にも思っておりませんでした。
そして再会(私にとっては再会ですが、栗野さんは私の事など知るよしもありません。)したのは、その約20年後です。その当時、私は一人で年に2回は仕事でイタリア各地と大好きなパリを往復しておりました。

すると、例えばミラノのコルソコモディエチの2階の本売り場。パリのレクレルールのメンズ売り場などで2人きりになる場面がありました。その偶然が嘘の様に重なり、ご挨拶させていただく場面が起こり、帰国後わざわざ会社まで足を運んでくださり、ディストリクトユナイテッドアローズで私共のバッグをお取り扱いして頂ける事になりました。

まだ若かかった私は嬉し過ぎて、その夜一人お祝い会を開き、泥酔してしまい事を思い出します。それから20年近くのお付き合いが始まりました。奥様が、私の会社の目の前の体育館で、太極拳のご指導をされている事、私の娘と栗野さんのお嬢様が、歳か同じである事などもあり、大変フレンドリーに接していただき、常に恐縮の連続でした。また、お会いする時は緊張の極みでした。

私が、ボーデッサンの現場を離れて、この谷中のボエムをオープンさせていただいた時も、お祝いに駆けつけてくださりました。何年もの間、ファッションは勿論の事、音楽そしてカルチャーや芸術全ての世界を見続けおられる方との出会いは、私にとっての人生の宝物なのです。
今夜は、この本を1ページ1ページ大切に読ませていただきます。

AnNon.

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